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若いうちから先々も稼げる準備 「鶴太郎流」 に学ぶ “好き” を仕事にする方法【松野大介】

先を見通しながら、臨機応変に時代を乗り切っていくレッスン

(2)「仕事を持ちながらも、好きなことを3年先に仕事にする」

 まったくやったことのない絵を38歳から突然始め、40歳では個展を開き、画家になりました。絵である理由は「40、50代も続けられる」「一人で出来る」そして「絵を描けるようになりたい」からと。画材を買ったことさえなかったところから始めて、それを仕事にしたわけです。
 鶴太郎さんは絵だけでなく、他のことについてもこう言いました。
「何かを始めるのに遅いことはないが、できれば早いほうがいい」「なんでも3年はかかる」
 言い換えれば3年で仕事になる。3年後にはものになっているわけです。
 こういうことはありませんか? 他の人が新しい仕事を始めた時、「あーオレも同じこと考えてたんだよな」と悔しがった経験が。考えたり妄想してるだけでは誰でもできます。実現させるために3年先を見越して準備を始める。
 頭では考えが巡っても、失敗や後悔が怖いから踏み出せない。失敗、後悔しないための条件は何か?
「好きなこと」を始める。少なくとも興味のあることを始める。これは当たり前ですが、もう1つ私なりに考えると、過去にやったことを生かすことも大事かなと。
 私は芸人から小説家に転向しましたが、それからは芸能関係者とは一切立ち切りました。芸能界がイヤでイヤで(笑)。しかし40代半ば、あることをきっかけにタレントにインタビューする仕事を始め、その数年後、三谷幸喜さんとの共著、今回の鶴太郎さんの本を作れた。これは私が芸人だったから出来た仕事です。「前の仕事で得た技術や人脈を捨てる必要はないんだな」と思います。
 人は転職すると、前に就いていた仕事を隠したり避けたりする場合がある。喧嘩して辞めた仕事などそうなりやすい。しかし培った仕事や知り合えた人を遠ざける必要はないんです。
 少し反れましたが、「先々も続けられる別の仕事を見つける」「好きなことを仕事にする」ための準備は、早いほうが良いでしょう。

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松野 大介

まつの だいすけ

1964年神奈川県出身。85年に『ライオンのいただきます』でタレントデビュー。その後『夕やけニャンニャン』『ABブラザーズのオールナイトニッポン』等出演多数。95年に文學界新人賞候補になり、同年小説デビュー。著書に『芸人失格』(幻冬舎)『バスルーム』(KKベストセラーズ)『三谷幸喜 創作を語る』(共著/講談社)等多数。沖縄在住。作家、ラジオパーソナリティー、文章講座講師を務める。

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